令和6年「寺宝展」「山門楼上公開」
普段見ることのできない光明寺の寺宝の展示会です。
光明寺所蔵「智光曼陀羅」「当麻曼陀羅」をはじめ「当麻曼陀羅縁起(模本)」「浄土八祖図」等を展示いたします。。この機会にぜひお参りください。
【期 日】 令和6年3月30日(土)~5月6日(月)
【受付時間】 10時から15時30分まで(受付は寺務所にて)
【拝 観 料】 ・光明寺展 500円
【期 日】 令和6年3月30日(土)~5月6日(月)
但し桜の開花によって期日が早まることがございます。
【受付時間】 10時から15時30分まで(受付は寺務所にて)
【拝 観 料】 ・山門楼上特別公開 500円
≪展示品目≫
「當麻曼陀羅」「智光曼陀羅」 各一幅
密教における仏の世界観を絵画などで視覚的に表したものを曼陀(荼)羅と呼ぶ。日本においても、平安期より、阿弥陀仏の仏国土である極楽浄土を表した絵画が描かれ始め、「浄土曼陀羅」と呼ばれ、人々の信仰の対象として徐々に広まるようになった。
『浄土曼陀羅』は、学術的に「阿弥陀浄土変相図」と称し、阿弥陀如来が住する西方極楽浄土の有り様を、『観無量寿経』や『観無量寿経』の解釈書である、唐の高僧・光明大師善導の述作『観経四帖疏』、また『無量寿経』、『阿弥陀経』等に基づいて極楽の功徳荘厳が作画されている。
この内、『智光(チコウ)曼陀羅』、『當麻(タイマ)曼陀羅』、『清海(セイカイ)曼陀羅』は、浄土三曼陀羅と呼ばれ特に重んじられた。當麻曼陀羅や清海曼陀羅のように、『観経』の所説に基づくものを特に「観経曼陀羅」と呼ぶ。また、中国では初唐の頃から描かれ始め、「観経変・観経変相」と称し、甘粛省の敦煌莫高窟に現存する。また世界遺産で有名となった河南省洛陽市の龍門石窟は石刻立体で描かれた変相の一つで、中国史上唯一の女帝・則天武后が善導大師に懇請し、唐の高宗の追善供養として、自らも浄財を寄進し、元々あった北魏の摩崖仏を取り入れ、石窟群として荘厳を極めた。
「當麻曼荼羅縁起」 (写本) 二巻
標題の当山所有の国宝『縁起絵巻』は、現在、鎌倉国宝館にて保管頂き、劣化が進む中では、残念ながら当寺での公開は出来ないが、江戸期、当『縁起絵巻』は、複数の模写が製作され、各地で布教の教材として用いられた。今般の展示品はその一つで寛政五年(1793)に製作された。
本書は、奈良県葛城市の古刹・當麻寺の本尊である『綴織・當麻曼陀羅(国宝)』が描かれた背景を、縁起絵巻として著された物だ。
天平時代、横佩(ヨコハギ)大納言の娘は深く仏法に帰依し、先立つ母の供養の為に『称讃浄土経』の写経を日課とし、生身の阿弥陀仏を拝したいと強く願う日々だった。そこに阿弥陀仏と観音菩薩の化身として、尼僧と化女が現れ、集めさせた蓮の糸をたちまちに五色に染め上げ、一夜で浄土の瑞想を織り上げる。描かれる曼陀羅の意図する教義を聞いて感涙した娘は、信仰を更に深め、称名念仏の保持を欠かす事なく相続し、迎えた最期は、廿五菩薩を伴って来迎した阿弥陀仏に引接され、所望の通り極楽往生を遂げる。後に、この物語は、著名な中将姫伝説として、中世から近世にかけて、様々に脚色されて流布される。
本書の大きな特色は、教化を目的として製作され、横に用いる料紙をわざわざ縦に継ぎ、より天地幅の広い大画面を構成し、本邦ではめったに見られない珍しいものである。下巻の巻末の阿弥陀聖衆来迎の段は、荘厳典雅で、優美に、かつ劇的に描かれている。上下二巻の全物語を展示。
「浄土八祖図」 八幅 絹本著色
浄土宗宗祖・法然上人は、浄土宗の相伝「師資相承」を明らかに示さんが為に、浄土教の祖師と讃えられる高僧を選び出し、血脈譜を定めらた。浄土五祖として、曇鸞大師、道綽禅師、善導大師、懐感禅師、少康法師を上げられ、法然上人は述作『類聚浄土五祖伝』の中で、各祖師方のご伝記やご功績を紹介されている。
『浄土八祖』は、インドでの浄土教の大成者である馬鳴菩薩、龍樹菩薩、世親菩薩の三祖と、中国に渡り観無量寿経を伝え、訳経にも邁進した菩提流支三蔵、更に中国浄土五祖から曇鸞大師、道綽禅師、善導大師を選びとり、この七人の祖師方に、法然上人を加えて「浄土八祖」としたものである。
収蔵する箱の裏書には、光明寺第三七世勝誉上人が当山への寄進を発願し、鎌倉雪ノ下在住の佛画師・大石清安に執筆を要請、慶安二年に奉納された、とある。
「松蔭硯」一面 石造【法然上人遺品】
器形は薄い長方形で、中央部に変形楕円の形をなす硯部があり、硯下部に州浜と岩をあらわし、州浜の上には亀を、岩の上には鶴を向かい合わせて配されており、硯の右側にはそそり立つ断崖を、左側には太い松の生えた奇岩を描き、松の枝葉は硯部の上に大きく広がっている。
光明寺開山良忠上人の所持品と伝えられており、「松蔭硯」と称される。「竹布九条袈裟」と同様に弘安九年(一二八六)の「良忠譲状」にその名が見え、箱内の伝来書や『檀林光明寺誌』等には、この硯は平清盛が宋から入手したもので、清盛の子重衡が受戒の際に浄土宗宗祖法然上人に進呈され、二祖聖光上人、三祖良忠上人、四祖良暁上人と相伝したものと伝えており、光明寺にとって貴重な伝世品である。
「四天王像」 四體
「二祖対面図」 一幅 絹本著色
「釈尊涅槃図」 一幅 絹本著色
「二河白道図」 一幅 絹本著色
「宗祖法然上人図」 一幅 絹本著色
「開山記主禅師図」 一幅 絹本著色
「日曜法話 特別企画」各日 午後2時~午後3時
4月7日(日)「当麻曼陀羅縁起絵巻の説くところ-寄り添う心-」
光明寺教務部長 奥田昭應 上人
※日曜法話は予約不要です。
≪山門(三解脱門)特別公開≫
鎌倉に現存する山門の中で最大の大きさを誇る。弘化四年(1847)に造営。永享八年(1436)に後花園天皇より賜った「天照山」の扁額が重厚で、普段、未公開の楼上には、釈迦三尊、四天王、十六羅漢の各像が安置され、四天王と羅漢像は、平成二三年に修復され、国内ではまず見ることが出来ないほど彩色がとても豊かである。楼上から望む海岸の景色も素晴らしく、富士の名峰や江ノ島まで見渡すことが出来る。